ヴィクトリアマイル


ダンスインザムード桜花賞以降勝ち星はないが、天皇賞②③着、マイルCS②④着と再三に渡り牡馬一線級と好戦してきた実力はこのメンバーでも随一。気性も成長し、落ち着きさえ見られる今の充実ぶりならポカは考えにくい。もちろん距離、コースに問題はなし。道悪もフラワーCで重賞勝ちがありむしろ得意の部類。軸として信頼大だ。
…②マイネサマンサ阪神牝馬Sアドマイヤグルーヴの半馬身差②着があるようにマイルは一番の得意分野。内枠を引き当てたのも掛かる心配がないので好都合だ。ただ重賞勝ちは展開に恵まれた前走のみだし、直線の長い府中で先行して押し切れるかは微妙なところ。
…③ジェダイト→⑪⑧⑤着と着順自体は徐々にアップしてるが、前走はラインクラフトから1秒以上離されていた。重賞連対実績はなく、OP(忘れな草賞)勝ちがある程度。掲示板確保も厳しい感じだ。
…④スナークスズラン→④③③着と近走の充実ぶりは光るが、阪神牝馬Sは勝ち馬から1秒以上差があったし、1400mの適性に助けられていた感も。7歳で使い込まれているし、上積みも望みづらい。
…⑤コスモマーベラス→前走は不利が祟って結果が出せなかったが、そもそも実績はOPに集中しておりその差は歴然(OP【1・3・1・0】重賞【0・0・0・7】)としている。マイルでも対応可能だが、GⅠでは荷が重い。
ラインクラフト→このコースはNHKマイルCを制しているし、マイルは桜花賞含めGⅠ2勝。高松宮記念②着、マイルCS③着と牡馬相手でも全く見劣らないスピードと底力を誇っている。ライバルのエアメサイアとは前走阪神牝馬Sで3馬身差と圧倒。1ハロン延びても優位は動かないだろう。心配なのは展開と馬場。折合いさえつけば初代女王の座が待っている。
…⑦アグネスラズベリ→500〜1600万とまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで4連勝。勢いでは誰にも負けない。ただマイルは5走前②着と敗れているし、初のOP戦がGⅠというのもかなり厳しい条件。将来的には重賞も勝てる器だが、経験値の差で今回は譲るとみる。
…⑧オーゴンサンデー→近3年で唯一連対を果たしたのが、今年1月のニューイヤーS。ただ51キロの軽量とハイペースが利した感が大きく、他は全て着外に敗れている。たとえ得意の道悪でも常識的に手は出しづらいところだ。
…⑨レクレドール→昨夏ヘヴンリーロマンスを下してクイーンSを勝っているようになかなか侮れない面もあるのだが、重賞の好走は札幌、福島、阪神に限られており、一瞬の脚を活かすタイプ。府中ではやや疑問が残る。
ヤマニンシュクル阪神JF勝ち、秋華賞②着と元々一線級の実力を発揮していたが、中山牝馬Sの勝利で完全復活。持久力勝負で最も強く、その意味では府中はピッタリだろう。1800〜2000mが最適距離だが、前々走(京都牝馬S 0.1秒差④着)の競馬からしてもマイルに全く不安はない。有力な一頭。
…⑪ロフティーエイム→1000万からの連闘で重賞の福島牝馬Sを制覇。先行差し自在の器用さが活かされた形だが、時計、相手関係で恵まれた感は否定できない。好走は小回りコースに限定されており、直線の長い府中への対応力もカギだ。
…⑫ショウナンパントル→2歳牝馬女王も3歳以降は紫苑S(OP)②着の実績がある程度。GⅠの臨戦が多かったとはいえ他はすべて7着以下に敗れており、起死回生は望みづらい。静観視が妥当。
ディアデラノビアフローラS勝ちに、オークスでも0.1秒差の3着。末脚の活きる府中は最も得意とするところだし、マイルではエアメサイアを2馬身引き離した経験もある。展開と道悪への対応がカギだが、時計の掛かったマイラーズCでも差のない③着に続いており、そう大きく割引きする必要はなさそうだ。
…⑭チアフルスマイル→33秒6の末脚を駆使して京都牝馬Sで②着、前走の谷川岳Sを快勝と波に乗っていることは確かだが、前々走の阪神牝馬Sで⑦着と結果を残せなかったように坂のあるコースは苦手としている感。重賞勝ちもなくGⅠでは少々パンチ力不足か。
×デアリングハート→ここ3走⑫⑮⑫着。着順だけみると狙えないが、前走は久々で気負ってしまったのが原因だし、他も距離、状態面に問題があって真の実力は発揮していない。Fレビュー②着、桜花賞③着と何れもエアメサイアに先着し、このコースはNHKマイルC②着の舞台。穴として一考を。
…⑯ヤマニンアラバスタ新潟記念府中牝馬Sに勝ち、オークスでも③着。左回りには滅法の強さを示しているが、何れも距離は1800m以上。中距離の差し馬の印象が強く、マイルはちょっと短いし、近走発馬に不安を抱えているだけに流れに乗れるかも課題。
…⑰アズマサンダースダンスインザムード桜花賞②着、翌年には京都牝馬S勝ちとマイルでの適性では一線級ともそう劣らないが、前々走の阪神牝馬S(④着)では前から大きく離されており、上位との差は歴然。多頭数の外枠も不利だ。
エアメサイア→前走ラインクラフトに付けられた3馬身差は大きいが、1ハロンの延長と直線の長い府中でだいぶ相殺は可能。馬場の良否、展開は問わないし、デビュー以来5着を外さぬ安定性が何と言っても魅力的。大外枠も鞍上の手腕でカバー可能だろう。確実に上位争いに加わってくる。