日本ダービー


…①スーパーホーネット朝日杯FS②着で将来を嘱望されたが、今期は弥生賞⑤着、皐月賞⑩着。皐月賞は最後方から終いだけの競馬。上がり35秒1は特段優れた数字でもないし、400m更に距離が延び適性面でも不安が。
◎②メイショウサムソン皐月賞馬。2〜4着馬が後方組だったことを考えれば、好位押し切りは強さの証。スプリングSでは叩き合いを制しているように勝負強さも特筆ものだ。血統面からは皐月賞よりスタミナを要求されるダービー向きだし、父がパワータイプのオペラハウスなら道悪も苦にしないだろう。2冠の可能性は十分だ。
…③ロジック→武豊騎手のファインプレーが功を奏したNHKマイルC。腕だけでないことはデビュー以来3着を外したことのない堅実性に見て取れるが、何しろ距離経験は1800m(3着)まで。寸の詰まった体型だけに距離延長は望まないだろう。
▲④マルカシェンク→初戦を勝った時点で福永騎手がダービーを意識。2歳時はドリームパスポートらを寄せつけず3戦無敗。骨折明けとなった京都新聞杯は⑤着と敗れたが、レース全体の上がり33秒5に対して33秒0の末脚を駆使して0.2秒差まで追い詰めてるのだから、内容的にはかなり強い。中2週でもかなり状態は上向いている。怖い。
…⑤トーホウアランスプリングS(10着)はキャリアの差が露呈した形だが、次走の京都新聞杯ですぐ巻返して勝利を挙げるあたり、潜在能力の高さは認めたいところ。ただ前走はいかにも展開に恩恵があっただけに、額面どおりの評価はし辛いところ。
△⑥アドマイヤメイン→相手関係は別にしても、ここ3戦何れも圧倒的な強さで完勝。特に今回と同舞台となる青葉賞の勝ちっぷりはとても印象深い。確かに初勝利後は②③(500万)④(OP)⑤(GⅢ)とここに出走する人気上位組に後塵を拝してきたが、逃げという強力な戦術を確立した今なら形勢逆転は難しくないはず。要注意。
…⑦フサイチリシャールドリームパスポートに先着し、メイショウサムソンに首差②着のスプリングSの内容からもう少しやれてもいい気もするが、皐月賞は自分の持ち味を最大限活かす競馬で⑤着と敗退。現状上位馬とはちょっと差があるか。
…⑧パッシングマーク→抽選で滑り込みの出走。2連勝と勢いに乗るが、差は何れも僅差。相手関係も決して強いとは言えない。2000m以上の距離は初めて使うほか、重賞も今回が初めて。狙い目を探すほうが難しいかも。
…⑨サクラメガワンダー→前年暮れのラジオたんぱ杯でアドマイヤムーンを撃破。前走の皐月賞(6着)ではメンバー中最速の上がり34秒6を計時。一発の雰囲気は十分だが、過去10年3歳になってから連対経験のない馬は一頭も来ておらずデータ上は消し。
△⑩アドマイヤムーン皐月賞フサイチジャンクから半馬身差の④着。そう大きく負けてないし、他の上位4頭が1〜6番枠だったのに対して、当馬は15番枠。外々を回らされた影響も響いていた。そもそも武豊騎手がメインではなくこちらを選んできたのもそれなりの脈があってこそだろう。距離にも心配ないタイプと推測する。
…⑪ヴィクトリーラン→それまでの渋いイメージを一新し、鮮やかに差し切ったプリンシパルSの内容は評価したいところだが、その前2走、弥生賞⑧着、毎日杯⑦着は何れも完敗。前走は相手に恵まれてというのが妥当な見解。
…⑫アペリティフ→先行馬の流れだったとはいえ33秒2の脚を駆使し②着に健闘した京都新聞杯の内容は地力強化を示すものだが、過去の成績を見ると、有力馬には歯が立っておらず、3走前はアドマイヤメインに9馬身差で敗れている。この相手では?
…⑬トップオブツヨシプリンシパルS②着で優先出走権を確保。父(タヤスツヨシ)は95年のダービー馬だが、若葉S④着、毎日杯④着というワンパンチ足りない成績がこの馬の実力をよく反映している感も。5走前の内容から道悪も割引きだろう。
△⑭ジャリスコライト→デビューから2連勝。朝日杯FSでも1番人気(3着)に支持されたように早くから注目を集めていた。時計の掛かる馬場は京成杯勝ちで克服済みだし、休み明けで万全とはいえなかった皐月賞で0.7秒差⑦着なら十分反撃は可能。そして何よりGⅠに強い横山典弘騎手を引き続き鞍上に迎え穴ムードはタップリ。抑えに。
…⑮ドリームパスポート→8戦してすべて3着以内に入線。きさらぎ賞メイショウサムソンを下し、皐月賞では半馬身差②着。力はほぼ互角だが、問題は距離。いかにも1800〜2000mがピッタリで、胴が短い体型からも適しているとは言い難いだろう。
…⑯ナイアガラ→すみれSを不良馬場で勝っているように雨で一番大喜びしているのはこの馬かも。ただ道悪の適性だけでダービーを勝てるようなものでもないし、皐月賞では⑪着と1秒以上離されての完敗。根本的にこのメンバーでは力量不足か。
○⑰フサイチジャンク→2000mばかりを使われてきたが、皐月賞は初の強豪相手に厳しい流れ。スローペースしか経験がなかっただけに惨敗も考えられるシーンだったが、外から着実に脚を伸ばして③着を確保。この内容は強い。距離延長に不安はないし、長く脚を使うだけに直線の長い府中なら存分に持ち味を活かせそうだ。
…⑱エイシンテンリュー青葉賞③着で優先権をゲット。2戦目を除けば常にメンバー中1番速い上がりを計測しており、展開次第では面白い存在になるかも。ただ最速でも34秒7だけに、数字上は決して強調できないだろう。